ナイトクラブの常設LED導入ガイド【2025】映える設計とトラブル回避
DJ背面・壁面・天井・フロアエッジ。「映える瞬間」を作りながら、安定稼働と安全を両立するための要点を、設計・電源・熱・制御・工事・保守まで一気にまとめました。
1. 要件定義:何を「映え」にするか
- シーン設計:フロア導線誘引/ドロップの瞬間/写真映えスポット。
- 視認距離:客席1.5–8m。ピッチは 1.5–2.6mm が現実解(屋内)。
- 面の構成:DJ背面(主画面)+側壁/天井(補助)+エッジ(ライン)。
- 運用:常時ループ/イベント時スイッチング/来客ロゴ差し替え。
2. 画質設計:ピッチ×距離/輝度/視野角
| 視認距離 | 推奨ピッチ | 用途 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 1.5〜3m | 1.5〜2.0mm | DJ背面・写真映え | 近距離のテキスト/ロゴに強い |
| 3〜5m | 2.0〜2.6mm | 壁面ワイド | コスパと解像のバランス |
| 5m〜 | 2.6〜3.9mm | 天井・大面積 | 視野角と輝度重視 |
- 輝度:屋内は800–1500nitsで十分。ストロボ時は輝度差に注意。
- 視野角:左右140°/上下120°以上が理想。天井面は上下角に強いパネルが◎。
- 曲面/コーナー:10–15°の段付き曲げ or ソフトモジュールで連続感を確保。
3. 電源・熱・換気:止めないための設計
| 項目 | 目安 | ポイント |
|---|---|---|
| 電力 | 最大800W/㎡(平均同時30–50%) | 200V系推奨/専用回路/突入電流に余裕 |
| 熱 | 吸排気クリアランス 100–150mm | 背面チャンバー化と常時換気 |
| 予備 | N+1電源(PSU) | 重要面は冗長構成/監視プレイヤ |
4. 制御:NovaStar/Brompton・DMX連携・プリセット
- コントローラ:イベント時は外部プロセッサ(Genlock/低遅延)。
- プリセット:「営業通常」「写真映え」「ピーク抑制」「告知ロゴ」。
- 連携:照明卓(DMX/Art-Net)とトリガー連携。音反応は帯域制御。
- 保護:長尺配線は光/HDBaseT。EDID固定、4K規格統一。
5. 音響/照明との干渉を避ける
- フリッカー/バンディング:シャッター速度とリフレッシュ同期、撮影用プリセット。
- 音:電源系統は映像/音響/照明を分離。ノイズループに注意。
- 眩惑:客席方向の白フル画面を避け、輝度のランプ上限を設定。
6. 架台・工事・法規:安全と意匠の両立
- 架台:鋼製 or アルミフレーム。点検口・配線ダクト・メンテ導線を確保。
- 防火/避難:難燃材・非常口サインの視認性・点検ルート。
- 落下・振動:ワイヤセーフティ、アンカー打設、ダンパ材。
7. 運用・保守:予備パネルと復旧手順
- 予備:同ロット5–10%を現地 or 近接倉庫に確保。
- 復旧:ホットスワップ/モジュール交換手順書+動画QR。
- 監視:温度/電圧/ファンをログ監視。しきい値でアラート。
- SLA:営業日内4h一次対応/72h以内復旧など明文化。
8. 予算の目安(屋内・設置込みの参考帯)
| 項目 | 目安 | 備考 |
|---|---|---|
| LED本体 | ¥180,000〜¥380,000 /㎡ | 1.5–3.9mm、リフレッシュ/輝度で変動 |
| コントローラ/プロセッサ | ¥200,000〜¥1,200,000 | 入力数/低遅延/Genlock |
| 架台・意匠 | ¥80,000〜¥200,000 /㎡ | 現場の下地/曲面で変動 |
| 電源・配線・施工 | ¥300,000〜 | 回路新設・分電盤・長尺配線 |
| 保守(年) | 本体の5–10% | 巡回点検・オンコール・予備保有 |
※ 現場条件で上下します。図面・写真をいただければ無料で概算を返します。
9. 失敗あるある10選と対策
- ピッチ過小でコスト超過 → 視認距離から逆算(表)。
- 輝度が強すぎて眩惑 → ランプ上限&シーン別プリセット。
- 熱だまりでダウン → 背面チャンバー+常時換気。
- 突入電流でブレーカー落ち → 専用回路+シーケンサー投入。
- ケーブル規格混在 → 4K統一・EDID固定。
- 撮影でフリッカー → シャッター向けプリセット。
- 落下/振動対策不足 → ワイヤ+アンカー+定期点検。
- メンテ導線なし → 点検口/予備モジュール必須。
- DMX連携が不安定 → ルータ分離・固定IP・IGMP設定。
- 保守未契約 → SLAと予備率を契約に明記。
10. FAQ
近距離で文字を読ませたい。最適ピッチは?
客席まで2m前後なら1.5–2.0mm、3–5mなら2.0–2.6mmが目安です。
電源はどれくらい必要?
最大値で800W/㎡ですが、実運用は30–50%同時点灯。200V系の専用回路を推奨します。
写真・配信でチラつく。
リフレッシュ/走査とカメラシャッターの組み合わせによるもの。撮影用プリセットを用意しましょう。