常設LEDディスプレイの費用相場と内訳|工事・電源・保守まで見積の全て

「常設LEDって、結局いくらかかるの?」

この質問は、LED本体の値段だけを見て判断するとほぼ確実にズレます。
実務でブレるのは、むしろ工事(下地・電源・配線・安全)保守(故障対応・予備・点検)です。

先に結論(3行)
・総額は「本体+制御+工事+電源+調整+保守」の足し算
・本体は「面積(㎡)」と「ピッチ(精細さ)」で概算できる
・見積で事故るのは「工事/電源/保守」が抜けて後から増えるパターン




目次


1. まず全体像:常設LEDの費用はどう決まる?

常設LEDの予算は、大きく初期費用(導入)ランニング(保守)に分かれます。
見積を読むときは、まずこの2ブロックに分けると理解が一気に進みます。

区分 中身 ブレやすさ
初期費用(導入) LED本体、制御機器、架台/金具、電源/配線、設置工事、調整 (現場条件で変動)
ランニング(保守) 点検、故障対応、予備在庫、校正、清掃、契約保守 (運用方針で変動)

ポイントは「本体が安い=総額が安い」ではないこと。
現場条件(壁・搬入・高所・夜間・配線距離・施設ルール)で、工事費は数十%単位で動きます。


2. 見積の内訳テンプレ(これが入っていれば健全)

まず、見積の「項目」が揃っているかを確認してください。
安い見積ほど、必要項目が抜けていることがあります(後から追加になって総額が上がるパターン)。

(A)機材費:LED本体・制御・周辺機器

  • LEDパネル/キャビネット(屋内/屋外、ピッチ、輝度、更新方式、仕様)
  • 受信カード/送信機/プロセッサ(入力数、4K対応、スケーリング、冗長)
  • 電源・分電材(回路設計、ブレーカー、雷対策)
  • ケーブル類(電源、LAN、必要なら光化、予備含む)
  • 再生機器(STB/サイネージプレイヤー/PC、遠隔運用の有無)

(B)工事費:架台/金具・電源・配線・施工

  • 下地/架台(壁強度、鉄骨/アルミフレーム、耐荷重)
  • 設置工事(高所、夜間、搬入条件、養生)
  • 電気工事(電源増設、回路、屋外防水、分電盤)
  • 配線工事(隠蔽、モール、配線距離、貫通)
  • 安全対策(転倒/落下、耐震、落下防止、避難導線)

(C)調整費:セットアップ・キャリブレーション

  • 映像入力設定(解像度、スケーリング、色合わせ、明るさ)
  • 初期不良・ドット抜け確認、動作確認
  • 運用レクチャー(電源ON/OFF、簡易トラブル対応)

(D)保守費:契約保守 or スポット対応

  • 定期点検(年1〜2回など)
  • 故障対応(駆けつけ、部材交換、復旧)
  • 予備在庫(モジュール/電源/受信カード)




3. 価格を左右する3要素(ここを決めると概算が出る)

① サイズ(W×H)=面積(㎡)

LEDは「何インチ」ではなく、面積(㎡)で考えます。
まずW×Hを決めるのが最短です。

面積(㎡)= 幅(m)× 高さ(m)
例)W3.0m × H1.75m = 5.25㎡

② ピッチ(mm)=精細さ(視認距離で決める)

ピッチが細かいほど高精細ですが、価格は上がりやすいです。
見る距離に対して過剰スペックにしないのがコスト最適化のコツです。

ピッチ目安 向いている距離感 向いている用途
1.2〜1.5mm 近距離 屋内の至近距離、店内、受付背面
1.8〜2.6mm 近〜中距離 会議室、店舗、イベントスペース
2.9〜3.9mm 中〜遠距離 展示会、ホール、観客席から見る用途
屋外向け(さらに粗め〜) 遠距離 屋外サイネージ、看板、日中視認

③ 屋内/屋外(防水・耐候・輝度・電気が変わる)

屋外は、防水・耐候・高輝度・雷対策などが入りやすく、電気・構造コストが屋内より重くなりがちです。
逆に屋内は、美観(配線隠蔽・壁面納まり)がコストに効きます。


4. 総額の考え方(桁を外さない式)

見積前に“桁”を外さないための式です。重要なのは金額の断言ではなく、どこが増えるのかを理解すること。

総額(導入)=
機材(LED本体+制御+周辺)+ 工事(下地/電源/配線/設置)+ 調整(設定/色合わせ)

※高所・夜間・搬入難・壁補強があるほど、工事費が上振れしやすいです。


5. 予算が増えやすい落とし穴7つ(ここを潰せば事故らない)

  • ① 下地が弱くて補強が必要(後から発覚しやすい)
  • ② 電源が足りない/回路が分けられない(電気工事が追加)
  • ③ 配線距離が長い/隠蔽が難しい(美観コスト)
  • ④ 画面周りの“納まり”が未確定(造作が発生)
  • ⑤ 入力(HDMI/SDI/PC/サイネージ)が曖昧(制御が変わる)
  • ⑥ 予備在庫ゼロ(数ヶ月後の不点灯が致命傷になる)
  • ⑦ 保守の契約範囲が曖昧(駆けつけ費が都度発生)

6. 保守費の考え方(契約保守 vs スポット対応)

常設LEDは導入して終わりではなく、「壊れたときにどう復旧するか」まで設計して初めて安心して使えます。
特に店舗・クラブ・企業エントランスなど、停止が機会損失になる用途は契約保守の価値が高いです。

方式 向いているケース メリット 注意点
契約保守 止めたくない/遠隔運用/店舗・施設 復旧が早い・予算化できる 範囲(回数/時間/部材)を明確に
スポット対応 稼働が少ない/予備がある/停止許容 固定費が少ない 都度費用・復旧まで時間がかかることも

7. 失敗しない発注ステップ(最短ルート)

  1. 設置場所(屋内/屋外)を確定
  2. サイズ(W×H)を決める(壁寸法でもOK)
  3. 視認距離(最短・最遠)を整理
  4. ピッチ候補を絞る
  5. 電源状況(分電盤・回路・100/200V)を確認
  6. 下地/固定方法(壁強度・架台必要性)を現地下見で確定
  7. 保守方針(止められない/スポットでOK)を決めてSLAを整える

8. 見積が早くなるチェックリスト(コピペ可)

  • 設置場所(屋内/屋外)・住所
  • 希望サイズ(W×H)または壁面寸法(だいたいでOK)
  • 想定視認距離(最短・最遠)
  • 用途(サイネージ/演出/会議/クラブ/店舗など)
  • 再生方法(USB/プレイヤー/PC/遠隔運用)
  • 電源状況(100V/200V、分電盤位置、回路)
  • 設置条件(壁強度、床置き、埋め込み、屋外、防水)
  • 保守方針(止めたくない/スポットでOK)




あわせて読むと、現場でのトラブル回避や運用設計がさらに固まります。

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よくある質問(FAQ)

Q. まず何を決めれば概算が出ますか?

A. 迷ったら、①屋内/屋外 ②視認距離 ③サイズ(W×H)の3つだけ決めれば概算が出せます。

Q. 安い見積を選ぶと何が起きがち?

A. 「下地/電源/配線/保守」などが抜けていて、後から追加になり総額が上がるパターンが多いです。項目が揃っているかが重要です。

Q. 予備パネル(モジュール)は必要ですか?

A. 止められない用途(店舗・施設・エントランスなど)なら推奨です。交換時の復旧速度が変わります。


まとめ:常設LEDは「本体」ではなく「総額設計」で勝つ

常設LEDは、ピッチやサイズの話だけで決めると失敗します。
工事(下地・電源・配線・安全)と、保守(予備・復旧設計)まで含めてはじめて、安心して“使える設備”になります。

「この条件だとどのピッチが良い?」「工事がどれくらい増えそう?」など、ざっくりでも大丈夫です。条件をもらえれば、過不足ない構成で最短提案します。

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