LEDディスプレイのピッチと視認距離の決め方【屋内・屋外の早見表+業態別おすすめ】
常設LEDのピッチ(画素ピッチ)は、導入後の「見え方」「満足度」「費用対効果」を左右する最重要要素です。
しかし現場では、「近距離なのに粗すぎて文字が読めない」「遠距離なのに細かすぎてムダに高い」という失敗が頻発します。
本記事では、屋内・屋外の早見表に加え、文字中心/映像中心の選び分け、窓面・屋外の注意点、
業態別のおすすめ、見積りで確認すべきチェック項目まで、現場目線で“決定版”としてまとめます。
1. ピッチ(Pixel Pitch)とは?選定を間違えると何が起きる?
ピッチ(mm)はLED素子の間隔です。数値が小さいほど高精細で、近距離でもドット感が目立ちにくくなります。
ただしピッチを細かくするほど、同じ面積でもLED素子数が増え、一般的にコストも上がります。
- ピッチが粗すぎる:文字の輪郭がガタつく/細い線が潰れる/安っぽく見える
- ピッチが細かすぎる:費用だけ増える/遠距離視認では差が出にくい(投資効率が悪い)
2. まずは結論:視認距離の「3つの基準」
視認距離は「これだけでOK」という単一ルールではなく、実務では3段階で捉えると失敗しにくいです。
- 最短視認距離(ギリギリ):近づくとドット感が見えるが、許容できる距離
- 推奨視認距離(ベスト):自然に綺麗に見える距離(基本はここを狙う)
- 文字視認距離(文字中心の目安):メニューや料金など“読ませたい”用途で重要
3. 視認距離のざっくり計算式(現場で使える)
目安としてよく使われるのが以下です(実務的にはこれで8割決まります)。
- 推奨視認距離(m) ≒ ピッチ(mm) × 1.0〜1.5
- 最短視認距離(m) ≒ ピッチ(mm) × 0.8〜1.0
ただし「文字中心」の場合は、同じ距離でもピッチを1段細かくする(例:P2.5→P1.9)と失敗しにくいです。
理由は、細い線・小さい文字ほどドットの影響を受けやすいからです。
4. 屋内用LED:ピッチと視認距離 早見表(最短/推奨/文字向け)
| ピッチ | 最短目安 | 推奨目安 | 文字中心のおすすめ距離 | おすすめ用途 |
|---|---|---|---|---|
| P1.2〜1.5 | 約1.0〜1.2m | 1.5〜3m | 1.5〜2.5m | 役員会議室/高級店舗/受付で至近距離 |
| P1.8〜1.9 | 約1.5m | 2〜4m | 2〜3m | ショールーム/商業施設/展示会常設(近距離) |
| P2.5 | 約2m | 2.5〜5m | 3〜4m | 店舗壁面/企業受付/会議室(汎用) |
| P3.0〜3.1 | 約2.5m | 3〜6m | 4〜5m | 中規模店舗/セミナールーム/吹き抜け |
| P4.0 | 約3m | 4〜8m | 5〜7m | ホール/遠目が中心の屋内空間 |
5. 屋外用LED:ピッチと視認距離 早見表(道路沿い/高所想定)
| ピッチ | 最短目安 | 推奨目安 | おすすめ用途 |
|---|---|---|---|
| P3.9 | 約3m | 4〜10m | 屋外イベント/近距離ファサード/低層壁面 |
| P4.8 | 約4m | 5〜12m | 店舗外壁/小型屋外ビジョン |
| P6.2 | 約5m | 6〜15m | 道路沿い/中距離サイネージ |
| P8.0 | 約6m | 8〜20m | ビル壁面/中〜高所設置 |
| P10 | 約8m | 10〜30m以上 | 遠距離視認/高所設置/大型広告 |
6. 「屋内・屋外」より大事な3つの分岐(ここが薄い記事との差)
分岐①:最短視聴距離は何m?(通路幅・客導線)
例えば店舗の通路が1.5mしかないのにP3.9を選ぶと、近づいた瞬間に“ドットの壁”になります。
逆に最短距離が6m以上なら、P2.5はオーバースペックになりやすいです。
分岐②:表示は「文字中心」か「映像中心」か?
文字中心(料金・メニュー・案内・テロップ)は、同じ距離でもピッチを細かくしないと読みやすさが落ちます。
映像中心(雰囲気・PV・ブランドムービー)なら、少し粗くても成立するケースが多いです。
分岐③:設置場所は「窓面」か「壁面」か?
窓面や外光が強い場所では、ピッチ以前に輝度(明るさ)が足りないと“見えない”が起きます。
「高精細なのに暗くて見えない」は最悪の失敗なので、窓面は特に注意が必要です。
7. 業態別おすすめ(迷ったらここから)
- 飲食店(店内・近距離):P1.9〜P2.5(文字多いならP1.9寄り)
- クラブ・バー(暗所・演出):P2.5〜P3.9(距離と演出優先、ただし撮影が多いなら後述のリフレッシュも重要)
- 商業施設(通路〜吹き抜け):P1.9〜P3.1(最短距離で決める)
- 企業受付・ショールーム(近距離・高級感):P1.2〜P1.9
- 道路沿い屋外(中距離以上):P4.8〜P10(視認距離と設置高さで決める)
8. よくある後悔パターン(リアルに効く)
後悔①:とにかく安いP4.8を選んだら、店内で粗すぎた
「屋内でも大きければ目立つ」と思いがちですが、近距離では粗さが目立ちやすく、文字が読めません。
店内・受付・レジ前など近距離導線があるなら、P2.5以下を検討する方が結果的に満足度が高いです。
後悔②:P1.5にしたのに“撮影するとチラつく”
これはピッチではなく、リフレッシュレート/PWM(調光方式)/受信カード設定が原因のことがあります。
常設LEDは「仕様が数字だけ良い」ではなく、運用(撮影・配信・スマホ)まで想定して選ぶべきです。
9. ピッチとセットで確認すべき“見え方”要素(ここが超重要)
① 輝度(cd/㎡)
屋内でも窓面は外光の影響を受けます。屋外は当然さらに明るさが必要です。
ピッチが適正でも輝度が足りないと「見えない」になります。
② リフレッシュレート/フリッカー対策
ライブ・クラブ・撮影前提の店舗では特に重要です。
スマホ撮影でバンディングが出ると、SNSでの見え方が悪くなり逆効果になり得ます。
③ コントローラー(送出)構成
「何を入力して何を表示するか」で必要な構成が変わります。
単純なループ再生なのか、PC/カメラ/配信を切替えるのかで、必要機材と安定性は別物です。
10. 最終チェック:ピッチ選定の質問リスト(そのまま使える)
- 最短視聴距離は何m?(通路幅・立ち止まる位置)
- 表示内容は文字中心?映像中心?(文字サイズは?)
- 設置場所は窓面?外光あり?(時間帯で変わる?)
- 撮影・配信はする?(スマホ撮影の頻度は?)
- 入力ソースは何?(PC/サイネージ/カメラ/配信)
- 保守はどうする?(予備パネル・保証・交換体制)
11. まとめ
ピッチ選定は「距離だけで決める」と失敗します。
距離+用途(文字/映像)+設置環境(窓面/外光)+運用(撮影/配信)まで含めて考えるのが、
常設LEDで後悔しない最短ルートです。
ピッチ選定で迷ったら(無料相談)
「この距離ならP2.5?P1.9?」「窓面で見える?」「撮影のチラつきは大丈夫?」など、
条件が1つ変わるだけで最適解は変わります。
ETTO株式会社では、現地下見・用途ヒアリングを踏まえた最適ピッチ提案が可能です。