映像ケーブルの種類と選び方|HDMI、SDI、VGA、DisplayPort、DVIの違いとは?
イベントや配信、プレゼン現場などで欠かせないのが「映像ケーブル」。でも、HDMI?SDI?VGA?どれを使えばいいのか迷うことも多いですよね。
この記事では、代表的な映像ケーブル5種類(HDMI、SDI、VGA、DisplayPort、DVI)について、用途・特徴・信号方式(アナログ or デジタル)・選び方のポイントをプロの視点で分かりやすくまとめます。

アナログ信号とデジタル信号の違い
- アナログ信号:連続的な波形で情報を伝達。VGAなどが該当。デジタル信号より長距離伝送が可能。
- デジタル信号:0と1のデータで伝送。HDMI、SDI、DisplayPortなどが該当。高画質で安定した映像伝送が可能。
映像の鮮明さや安定性を重視するなら、デジタル信号のケーブルを選ぶのが基本です。
1. HDMIケーブルとは
- 正式名称:High-Definition Multimedia Interface
- 信号方式:デジタル
- 音声も同時に伝送可能(1本で映像+音声)
- 家庭用・業務用問わず広く普及
主な特徴:
- 高解像度(4K/8K)対応可能
- 長距離伝送には不向き(5〜10mを超えると減衰あり)
- 端子が平たく、抜けやすい場面も
主な用途:
- プロジェクター接続
- 会議室プレゼン
- 映像出力モニター
2. SDIケーブルとは
- 正式名称:Serial Digital Interface
- 信号方式:デジタル
- 放送業界・プロ映像業界で標準
主な特徴:
- ロック機構付きのBNC端子で抜けにくい
- 長距離伝送に強い(100m以上対応可能)
- 3G/6G/12G-SDIなどで伝送帯域が異なる
主な用途:
- 映像スイッチャー間の接続
- カメラ〜配信機材間の配線
- 大規模ステージ、配信現場
3. VGAケーブルとは
- 正式名称:Video Graphics Array
- 信号方式:アナログ
- 昔ながらの映像出力ケーブル(主にPCで使用)
主な特徴:
- ピン数が多い15ピン端子(青い端子でおなじみ)
- 解像度や映像の鮮明さに限界あり
- ノイズの影響を受けやすく、経年劣化しやすい
主な用途:
- 古いPCとプロジェクターの接続
- 一部教育機関や公共施設での映像出力
4. DisplayPortケーブルとは
- 正式名称:DisplayPort
- 信号方式:デジタル
- 高解像度(4K/8K)や高リフレッシュレート(144Hz以上)に対応
- ケーブルにロック機構があり、安定した接続が可能
- 音声も映像と一緒に伝送可能(機器による)
主な用途:
- ゲーミングPCやクリエイター向けPCと高性能モニターの接続
- 複数画面の拡張出力(デイジーチェーン接続対応)
5. DVIケーブルとは
- 信号方式:デジタル or アナログ(DVI-D / DVI-A)
- HDMIの前身として普及していた規格
- 音声は非対応で、映像のみを伝送
- コネクタ形状が大きく、現在はやや時代遅れ
主な用途:
- 古いPCとモニターの接続
- HDMI変換アダプター経由で一部機器との互換性確保
6. ケーブル別 比較まとめ
| 項目 | HDMI | SDI | VGA | DisplayPort | DVI |
|---|---|---|---|---|---|
| 信号方式 | デジタル | デジタル | アナログ | デジタル | デジタル/アナログ |
| 音声伝送 | ◎(映像+音声) | ×(映像のみ) | × | △(一部対応) | × |
| 長距離対応 | △(5〜10m程度) | ◎(100m以上可) | △(画質劣化あり) | ◎(安定性高) | △(中距離まで) |
| 接続の安定性 | △(抜けやすい) | ◎(ロック式) | △(ピンの曲がり等) | ◎(ロック機構あり) | △(端子が大きく扱いづらい) |
| 主な用途 | プレゼン、モニター出力 | 配信・ステージ・業務用 | 古いPCや設備 | ゲーミング・PCモニター | 一部古い業務機器 |
7. ケーブル選びのポイント
- 確実な接続・高画質が求められる現場:SDI
- 短距離&手軽な接続なら:HDMI
- 古い機材に対応が必要なら:VGA
- ゲーミングや高性能モニターに接続するなら:DisplayPort
- 一部の旧式業務用機器やHDMI変換が必要な場面では:DVI