【失敗事例】最安レンタルで起きた3つの事故と回避策(展示会・イベント編)
「最安でお願いします」──。この一言から、展示会やイベント当日に映らない・間に合わない・目立たないという三重苦が発生しがちです。本稿はレンタル専用に絞り、現場で起きやすい3つの事故と具体的な回避策をプロ視点でまとめました。最後に見積チェック項目と責任分界点の文例、当日用チェックリスト(PDF)も用意しています。
結論(先に要点)
- 最安見積=必要工程が“省略”されている可能性(前日リハ・予備機材・人件費・搬入出条件など)。
- レンタルは「会場ルール×時間×配線品質」のゲーム。安さより再現性を見る。
- 事前の配線図・タイムライン・責任分界点を合意すれば、事故の8割は回避できる。
事故1:当日「映らない/途切れる」
症状: 映像が出ない・途切れる・音が出ない・解像度が合わない。現場で原因追跡に時間を消費し、設営が遅延。
原因(よくある省略):
・ケーブル規格/長尺(HDMI 15m超)に対する品質担保なし/予備ケーブルなし。
・分配器/切替器の仕様不一致、EDIDが未固定。
・入力解像度(PC 2560×1440など)と現場モニター/スイッチャーの対応差。
・ACタップの多段接続・電源ノイズ源の混在。
回避策(事前合意と持ち込み標準)
- 配線図共有: 入力→スイッチャー/分配→出力(長尺区間明示)。EDIDプリセットを決めておく。
- ケーブル規格の固定: 長尺は光HDMI or SDI変換、HDMIは最大10m目安。各1本は予備を計上。
- テストデータ提出: 事前に解像度/リフレッシュを指定、PCは発表用ユーザーの想定OSまで確認。
- 到着時刻とリハ: 開場2時間前には点灯・通しリハ完了の工程を見積に含める。
事故2:搬入制約と人員不足で「スケジュール崩壊」
症状: 車両予約ミスで搬入口に並ぶ/会場バッジ不足で入場待ち/電源開放が遅れ設営が押す/撤去時間に間に合わず延長費用。
原因(よくある省略):
・会場の車両予約/時間枠/積み下ろし動線とバッジ数が未確認。
・電源開放時刻・工事区分(主催/電工)・同日他社工事との干渉を見積に反映していない。
・時間に対する適正人員(班長/オペ/助手)が不足、想定より作業が遅い。
回避策(タイムラインと誰が何をするか)
- 工程表: 「搬入受付→設営→リハ→本番→撤去」まで分刻みのタイムラインを共有。
- 会場ルールの明文化: 車両枠/バッジ/養生/騒音/残業申請/電源開放時刻を見積注記に記載。
- 人員計画: 作業時間に対して必要人工を明記(班長1/オペ1/助手1=最低ラインなど)。
- 撤去制約: 撤去開始時刻の確約、夜間/深夜/休日割増の条件と単価を事前に合意。
関連: 展示会チェックリスト / 3日稼働テンプレ
事故3:機材選定ミスで「目立たない/要件を満たさない」
症状: 明るさ不足で映像が埋もれる/画面サイズが小さく通行人が止まらない/音が届かない/掲示コンテンツの縦横比が合わない。
原因(よくある省略):
・価格優先で小型/低輝度を選定。
・視認距離/導線/照度の事前ヒアリング不足。
・BGM用スピーカーのみでアナウンス用途を想定していない。
・4:3/縦動画などコンテンツ仕様の不一致。
回避策(用途別の定石)
- 用途別比較: 「アイキャッチ重視=LED/大画面」「文字情報重視=業務用モニター」「暗所プレゼン=プロジェクター」。
- サイズと輝度: 通路幅×視認距離でサイズ決定、会場照度が高い場合は高輝度を前提。
- 音の到達: ミニPA(スピーカー×2+ミキサー+マイク)を標準化。館内アナウンス想定で音量規定も確認。
- コンテンツ整合: アスペクト比/解像度の指定と事前テスト動画の入稿ルールを明記。
見積で「削られがち」=事故の温床になる項目
- 前日搬入・前日リハの稼働費(時間短縮=リスク増)
- 予備機材(ケーブル/小物/代替プレイヤー)
- 車両費・駐車料・台車/資材搬入の動線ロス
- 夜間・早朝・休日の割増/残業単価
- 人員区分(班長/オペ/助手)と拘束時間の明記
- 養生費(床/壁/柱)と会場指定資材の費用
- 破損・盗難時の免責と保険(動産/PL)
- キャンセル規定(前日/当日/中止時の条件)
事前共有テンプレ(コピペして送ってください)
・会場名/ホール番号: ・搬入日時/撤去日時: ・車両枠(有/無)/バッジ枚数: ・ブース番号/位置図(PDF): ・電源(主催手配/会場手配)開放時刻: ・想定コンテンツ(解像度/縦横比/再生端末): ・必要な見せ方(アイキャッチ/文字情報/デモ): ・スケジュール上の厳守ポイント(来賓挨拶/デモ時刻): ・音量規定/館内アナウンス有無:
当日チェックリスト(抜粋)
- 電源: 回路/ブレーカー位置、タコ足無し、発熱確認。
- 配線: 長尺はSDI/光HDMI、結線はケーブルタイ+養生。
- 映像: 解像度/リフレッシュ固定、EDIDプリセット、テストパターン確認。
- 音響: ハウリングチェック、司会マイク優先、音量規定遵守。
- タイム: リハ完了→開場までのバッファ30分。
責任分界点の文例(レンタル用)
・会場の電源手配・開放時刻・使用可否は主催者/会場の責任範囲とし、当社は受電後の配分/機器接続を担当する。 ・コンテンツの制作・入稿・最終確認は発注者の責任範囲とし、当社は再生機器の稼働保証を行う(形式・解像度は事前合意の範囲)。 ・搬入出時間・車両枠・入館証の不足や遅延により発生した待機・延長費用は別途精算とする。 ・機材破損・盗難等の事故が発生した場合は、契約書記載の免責/保険に基づき対応する。
相談・次アクション
「最安見積でも安全に本番を成功させる」のがプロのレンタルです。図面やスケジュールがあれば、最短15分で配線図とタイムライン案をお返しします。