展示会で複数台のモニターに映像を出すには?HDMI分配・PCマルチ出力・BrightSign同期の使い分け

展示会ブースでモニターを2台、3台と設置するとき、「1台のPCから全部に映像を出せる?」「同じ映像と別々の映像では機材が違う?」「BrightSignを使う必要がある?」と迷うことがあります。

結論からいうと、複数台のモニターへ映像を出す方法は、「各画面に何を表示したいか」で決まります。

  • すべてのモニターに同じ映像を出す → HDMI分配器
  • モニターごとに別々の画面を出す → PCのマルチ出力
  • 別々の動画を同じタイミングで再生する → BrightSignなどの同期対応プレイヤー
  • 複数モニターを1枚の大きな画面として使う → マルチディスプレイ構成

見た目は同じ「モニター3台」でも、やりたいことによって必要な機材や配線は大きく変わります。

この記事では、展示会・イベント向けの映像機材を扱うETTO株式会社が、HDMI分配、PCマルチ出力、BrightSign同期の違いと、複数モニター構成で失敗しやすいポイントを現場目線で解説します。

展示会で使用するモニターの機種・サイズについては、展示会・イベント向けモニターレンタルもご覧ください。

まず決めるべきは「各モニターに何を映したいか」

複数モニターの構成を考えるとき、最初から分配器やBrightSignの機種を選ぶ必要はありません。

まず、各画面に表示したい内容を整理します。

やりたいこと 代表的な方法 構成イメージ
すべて同じ映像 HDMI分配器 PC → 分配器 → モニター複数台
画面ごとに別映像 PCマルチ出力 PC → 複数映像出力 → 各モニター
別動画を同期再生 BrightSignなど 同期プレイヤー → 各モニター
複数画面を1枚の映像として表示 マルチディスプレイ構成 PC・プレイヤー・コントローラー → 複数画面

ここを決めずに「モニターを3台借りたい」とだけ依頼すると、当日になって分配器が必要だったり、PCの映像出力数が足りなかったりすることがあります。

モニターの台数より先に、「同じ映像か」「別映像か」「同期させるか」を決めるのがポイントです。

同じ映像を複数モニターに出すならHDMI分配器

展示会で最もシンプルなのが、1台のPCやメディアプレイヤーから複数モニターへ同じ映像を表示する構成です。

例えば、ブースの左右に55インチモニターを1台ずつ設置し、同じ商品紹介動画を流す場合です。

基本構成は次のようになります。

PCまたは再生機 → HDMI分配器 → モニターA・モニターB

1入力2出力の分配器なら2台、1入力4出力なら4台といった形で、1つの映像信号を複数の画面へ送ります。

HDMI分配器では「別々の映像」は出せない

ここは特に間違えやすいポイントです。

HDMI分配器は、1つの映像信号を複数に分けるための機器です。

そのため、

  • モニターAには商品動画
  • モニターBには料金表
  • モニターCにはWebサイト

というように、画面ごとに別の映像を表示する用途には基本的に使いません。

別々の映像を出したい場合は、後述するPCのマルチ出力や複数プレイヤーを検討します。

分配するときは解像度・EDIDを確認する

複数モニターへ同じ映像を分配するときは、接続できれば終わりではありません。

特に確認したいのが、

  • モニターの対応解像度
  • 分配器の対応解像度
  • PC側の出力解像度
  • リフレッシュレート
  • EDID
  • HDCP

です。

例えば4K対応モニターとフルHDモニターを同じ分配器へ接続すると、機器の組み合わせや設定によっては期待した解像度にならないことがあります。

展示会では機材を混在させることも多いため、可能であれば同じ型番・同じ解像度のモニターを揃えると構成をシンプルにしやすくなります。

同じ信号でもモニター側の処理差は考える

HDMI分配器を使用すれば、各モニターへ同じ映像信号を送れます。

ただし、異なるメーカー・異なる機種のモニターを組み合わせると、モニター内部の映像処理によって表示タイミングや色味、明るさに差が出る場合があります。

左右に並べて一体感を出したい場合は、モニター機種まで揃えておく方が安全です。

モニターごとに別々の映像を出すならPCマルチ出力

複数のモニターにそれぞれ違う内容を表示したい場合は、PCのマルチディスプレイ機能を利用する方法があります。

例えば、

  • モニターA:会社紹介動画
  • モニターB:商品デモ
  • モニターC:PowerPoint資料

といった使い方です。

WindowsやMacでは、対応する機種であればデスクトップを複数画面へ拡張できます。

PCの映像出力数を確認する

重要なのは、PCにHDMI端子が何個あるかだけではありません。

USB-C、Thunderbolt、DisplayPortなどから映像を出せる場合がありますが、同時に接続できる外部ディスプレイ数はPCの機種、GPU、OS、ドックや変換アダプターの仕様によって異なります。

そのため、展示会前には、

  • PCのメーカー・型番
  • 使用するOS
  • HDMI・USB-C・DisplayPortなどの端子
  • 同時に何画面出力できるか
  • 各画面へ必要な解像度
  • 使用する変換アダプター

を確認します。

「USB-C端子が2つあるから2画面出せる」とは限らないため、PCの仕様確認が必要です。

「複製」と「拡張」を間違えない

PCの画面設定では、「複製」と「拡張」を使い分けます。

複製は、複数の画面へ同じ内容を表示する方法です。

拡張は、複数のモニターを別々のデスクトップ領域として利用する方法です。

複数モニターへ別々の資料やアプリケーションを出したい場合は、基本的に拡張表示を利用します。

一方、展示会で単純に同じ動画を複数画面へ出すだけなら、PCのマルチ出力よりHDMI分配器の方が構成を単純にできる場合があります。

複数画面で別々の動画を同期させるならBrightSign

展示会では、単純な分配やPC拡張では実現しにくい演出もあります。

例えば、横に並べた3台のモニターで、

  • 左画面から映像が始まる
  • 中央画面へ演出が移動する
  • 最後に3画面が同時に切り替わる

といった映像演出です。

この場合は、BrightSignなどの同期再生に対応したメディアプレイヤーを使用する方法があります。

「同じ映像の分配」と「同期再生」は別物

HDMI分配器では、1つの映像信号をそのまま複数画面へ送ります。

一方、同期再生では、各画面がそれぞれの映像ファイルを再生しながら、再生開始や演出のタイミングを揃えます。

この違いは重要です。

方式 映像データ 向いている用途
HDMI分配 全画面で同じ映像 同じPR動画を複数場所へ表示
PCマルチ出力 各画面に別内容を出せる 資料・デモ・操作画面
BrightSign同期 各画面の動画を連動 マルチスクリーン演出・同期演出

BrightSign自体の特徴やUSB・PCとの違いは、BrightSignの同期再生・運用方法で詳しく解説しています。

画面数とプレイヤー構成を確認する

BrightSignは機種によって映像出力数が異なります。

1画面につき1台のプレイヤーを使用して同期する構成もあれば、複数のHDMI出力を搭載したモデルを使用する方法もあります。

そのため、機材選定では、

  • モニター台数
  • 各画面の解像度
  • 同じ映像か別映像か
  • 同期が必要か
  • 画面配置
  • 映像ファイルの構成

を先に決めます。

複数モニターを「1枚の大きな映像」として使う方法

3台のモニターを横に並べ、全体を1枚の超横長ディスプレイのように見せたいケースもあります。

これは、同じ映像を3台に分配するだけでは実現できません。

全体の映像を画面数に合わせて分割し、それぞれのモニターへ対応する映像を表示する必要があります。

構成としては、

  • マルチ出力対応PC
  • BrightSignなどのマルチディスプレイ構成
  • ビデオウォールコントローラー
  • 映像スイッチャー・マトリクスなどを組み合わせた構成

などを検討します。

コンテンツ制作段階から画面構成を決める

複数画面を1枚の映像として使用する場合は、機材だけでなく映像データの作り方も重要です。

例えばフルHDモニターを横に3台並べる場合、通常の16:9映像をそのまま再生するのではなく、3画面全体の見え方を考えてコンテンツを設計します。

制作前に、

  • モニター台数
  • 縦・横の配置
  • 各モニターの解像度
  • モニター間のベゼル
  • 全体のアスペクト比
  • 文字やロゴの位置

を決めておく必要があります。

特に文字や人物の顔がベゼル部分にかかると見づらくなるため、実際の画面配置を想定して映像を作ります。

USBメモリを各モニターに挿すだけでは同期しにくい

「同じ動画ファイルをUSBメモリに入れて、各モニターで再生すれば同期するのでは?」と考えることがあります。

しかし、各モニターが独立して動画を再生すると、電源投入や再生開始のタイミングが少しずつ異なります。

最初は揃って見えても、長時間再生する中でタイミングの違いが気になることもあります。

そのため、

  • 同じ映像を確実に同時表示したい → 1台の再生機からHDMI分配
  • 別々の映像を連動させたい → BrightSignなどで同期

という考え方が基本です。

USB・PC・BrightSignの使い分けについては、USB・PC・BrightSignの再生方法も参考にしてください。

モニターが離れている場合は「分配」だけでなく「延長」も必要

展示会では、複数モニターが同じ壁面に並んでいるとは限りません。

例えば、

  • ブース入口に1台
  • 中央に1台
  • 商談席に1台

という配置では、再生機から各モニターまでの距離が長くなります。

この場合は、HDMI分配器だけでなく、

  • 光HDMI
  • HDBaseTなどの延長器
  • SDI変換
  • 送受信機

などを組み合わせる場合があります。

「4台に分配できる分配器を用意したから大丈夫」ではなく、分配後の各モニターまで何m配線するのかまで確認することが重要です。

PC・HDMI・分配器・長距離配線を含む基本的な映像系統については、展示会ブースの映像出力・接続方法で詳しく解説しています。

複数モニターで音声を出す場合は「どこから鳴らすか」を決める

映像と一緒に音声を使用する場合も注意が必要です。

HDMI分配すると、映像と一緒に音声信号も複数のモニターへ送られる構成があります。

そのまますべてのモニターから同じ音を出すと、設置位置によっては音が重なって聞きづらくなることがあります。

展示会では、

  • 代表となるモニター1台だけから音を出す
  • モニター音声をミュートする
  • 外部スピーカーへまとめて出す
  • 無音動画と字幕で運用する

といった方法を選びます。

会場自体が騒がしい場合は、モニター内蔵スピーカーよりも字幕中心の映像の方が伝わりやすいこともあります。

展示会で複数モニターを使うときに多い失敗

HDMI分配器で別々の映像を出そうとする

分配器は基本的に同じ映像を複数画面へ送るための機器です。

別々の映像が必要なら、PCの独立出力や複数プレイヤーなど別の構成を検討します。

PCが必要な画面数に対応していない

USB-Cハブや変換アダプターを追加すれば必ず出力数を増やせるわけではありません。

PC本体が対応する外部ディスプレイ数を確認します。

モニターの解像度がバラバラ

4KモニターとフルHDモニターが混在すると、分配器やPC側の設定が複雑になる場合があります。

同一用途なら、できるだけ同じ仕様のモニターを揃えると管理しやすくなります。

長距離HDMIを現場で初めて試す

短いケーブルでは問題なく映っていても、現場で長いHDMIケーブルへ変更した途端に映像が不安定になることがあります。

配線距離が長い場合は、事前に実際の構成に近い条件でテストします。

USB再生で同期できると思っていた

各モニターが独立再生するため、複数画面を使った連動演出には向きません。

配線経路を最後に考える

展示会ブースでは、床下配線、造作壁内部、展示台、商談席などを通してケーブルを配線することがあります。

ブース施工が終わってから映像配線を考えると、ケーブルを隠せなかったり、必要な位置へ通せなかったりします。

モニター配置と同時に映像・電源・LANの配線ルートを決めておくことが重要です。

展示会でおすすめの複数モニター構成例

構成例1:55インチモニター2台に同じPR動画を表示

再生PCまたはメディアプレイヤー → HDMI分配器 → 55インチモニター×2台

左右のモニターへ同じ企業紹介動画や商品動画を流す場合に、シンプルで分かりやすい構成です。

構成例2:3台のモニターへ別々の商品情報を表示

マルチ出力対応PC → モニター×3台

各画面へ別の商品情報、PowerPoint、Web画面などを表示する用途に向いています。

構成例3:3台のモニターで連動映像を再生

同期対応プレイヤー → モニター×3台

画面ごとに異なる動画を流しながら、演出タイミングを揃えたい場合に検討します。

構成例4:ブース内の離れた3か所へ同じ映像を表示

再生機 → HDMI分配器 → 延長機器 → 各モニター

入口、中央、商談エリアなど、各モニターまでの距離がある場合は、分配と同時に伝送方法を設計します。

見積もり前に整理したいチェックリスト

複数モニターのレンタルや映像設営を相談する場合は、次の情報があると構成を決めやすくなります。

  • 展示会名・会場名
  • 設営日・本番日・撤去日
  • モニターの台数
  • 希望する画面サイズ
  • 横置き・縦置き
  • モニターの設置位置
  • すべて同じ映像か
  • 画面ごとに別映像か
  • 同期再生が必要か
  • PCを使用するか
  • BrightSignなどの再生機が必要か
  • 映像の解像度
  • 各モニターまでのおおよその配線距離
  • 音声の有無
  • 本番中に映像切替を行うか
  • 映像オペレーターが必要か

特に重要なのは、「何台使うか」より「各画面に何を表示するか」です。

ブース図面と映像内容が分かれば、分配器で十分なのか、PCマルチ出力が必要なのか、BrightSign同期にするべきなのかを判断しやすくなります。

常設の複数モニターは展示会とは設計が変わる

ここまで展示会・短期イベントを中心に解説してきました。

店舗、ショールーム、企業受付、モデルルームなどへ複数モニターを常設する場合は、同期だけでなく、

  • 毎日の自動起動
  • スケジュール再生
  • 遠隔コンテンツ更新
  • 機器収納
  • 放熱
  • 故障時の交換
  • 保守

まで考える必要があります。

常設用途については、複数モニターを常設で同期・一括管理する方法をご覧ください。

ETTOでは複数モニターのレンタル・分配・同期まで対応しています

展示会で複数台のモニターを使う場合、モニター本体だけを揃えても映像システムは完成しません。

ETTO株式会社では、展示会・イベント向けに、

  • モニターレンタル
  • スタンド設置
  • PC映像出力
  • HDMI分配器
  • 映像延長
  • BrightSignなどのメディアプレイヤー
  • 複数画面の同期再生
  • 映像配線
  • 表示確認
  • 設営・撤去
  • 本番立ち会い

など、必要な範囲をご相談いただけます。

制作会社・展示会施工会社・代理店の方で、「映像まわりだけ外部へ任せたい」という場合は、映像機材レンタル・現場支援サービスもご覧ください。

「2台に同じ映像を流したい」「3画面で別映像を出したい」「BrightSignで同期できるか知りたい」「PCから何画面出せるか分からない」といった段階でも構いません。

モニター台数、会場、図面、表示したい映像内容を共有いただければ、現場条件に合わせて構成を整理します。

複数モニターのレンタル・映像分配・同期構成について相談する

複数モニターへの映像出力でよくある質問

2台のモニターに同じ映像を出すには何が必要ですか?

1台のPCやメディアプレイヤーから同じ映像を表示するだけであれば、HDMI分配器を使用する方法があります。使用する解像度、モニター仕様、配線距離もあわせて確認します。

HDMI分配器で2台に別々の映像を出せますか?

一般的なHDMI分配器は、1つの映像信号を複数出力へ複製するための機器です。別々の映像を表示したい場合は、PCのマルチ出力や複数の再生機などを検討します。

ノートPC1台から3台のモニターへ別映像を出せますか?

PCの機種やGPU、OS、出力端子、使用するドック・変換アダプターによって異なります。外部ディスプレイの対応台数を事前に確認する必要があります。

同じ動画をUSBメモリで各モニターに再生すれば同期しますか?

各モニターが独立して再生するため、再生開始のタイミングがずれる可能性があります。画面間のタイミングを揃える必要がある場合は、1つの映像信号を分配するか、同期再生対応のプレイヤーを検討します。

BrightSignは何台必要ですか?

モニター台数、使用するBrightSignの機種、必要な出力数、表示内容によって構成が異なります。1画面につき1台使用して同期する構成もあれば、複数出力対応モデルを使用する方法もあります。

複数モニターを1枚の横長画面として使えますか?

可能です。ただし同じ映像を単純に分配するのではなく、マルチ出力PC、同期プレイヤー、ビデオウォールコントローラーなどを使って画面ごとの表示領域を設計する必要があります。映像データも全体の画面比率に合わせて制作します。

まとめ|複数モニターは「同じ映像・別映像・同期」のどれかを最初に決める

展示会で複数台のモニターへ映像を出す方法は、モニター台数だけでは決まりません。

最初に、

  • すべて同じ映像を表示したい
  • 画面ごとに別々の映像を表示したい
  • 別々の映像を同期させたい
  • 複数画面を1枚の大きな映像として使いたい

のどれなのかを整理しましょう。

同じ映像ならHDMI分配器、別々の映像ならPCマルチ出力、連動演出ならBrightSignなどの同期プレイヤーが選択肢になります。

さらに展示会では、解像度、EDID、配線距離、変換アダプター、音声、モニター配置、電源、施工順序まで確認する必要があります。

複数モニター構成は、「何台使うか」ではなく「その画面をどう動かしたいか」から設計するのが失敗を減らすポイントです。

展示会の複数モニター構成・レンタルについてETTOへ相談する

contact

contact

contact

あなたのイベントに最適な
映像ソリューションを見つけよう。

お問い合わせ