映像が出ない時の一次切り分けチャート|No Signalの最短復旧手順(現場用)
「急に映らない」「No Signalが出る」「さっきまで出てたのに落ちた」——。
現場で一番怖いのは、原因が分からず手当たり次第に触って時間を溶かすことです。
この記事は、ETTOが現場で実際に使う考え方をベースに、最短で原因を絞る一次切り分けを
“チャート形式”でまとめた保存版です。
この記事の結論(先に)
- 最初にやるのは「電源→入力→出力→ケーブル→表示先」の順で“止まってる場所”を特定すること
- ケーブル総当たりの前に、入力(PC/再生機)と出力(分配/スイッチャー/変換)の状態を確認する
- 復旧を急ぐなら「最小構成(直結)」に落とすのが最速
目次
- 切り分けの大前提:触る順番を固定する
- 【60秒】最短チェック(まずここだけ)
- 一次切り分けチャート(フローチャート)
- よくある原因TOP10(症状→原因→対策)
- 復旧を最速にする「最小構成」手順
- 現場で揉めない:確認事項(責任分界の考え方)
- よくある質問(FAQ)
- 関連記事・内部リンク
切り分けの大前提:触る順番を固定する
「映らない」ときに一番やってはいけないのは、複数箇所を同時に触ることです。
何が効いたか分からなくなり、復旧が遅れます。必ず順番固定で進めます。
固定の順番(おすすめ)
- 電源(抜け・スイッチ・タップ・ACアダプタ)
- 入力(PC/再生機が「出してる」か)
- 出力(スイッチャー/分配/変換が「出してる」か)
- ケーブル(抜け・断線・長尺・方向性)
- 表示先(モニター/プロジェクター/LEDの入力設定)
【60秒】最短チェック(まずここだけ)
- 表示先の入力が合ってる?(HDMI1/HDMI2/DP/SDI 等)
- PCの出力が出てる?(ミラー/拡張、解像度が過剰でないか)
- 途中機器(分配/スイッチャー/変換)の電源は生きてる?
- ケーブル抜けはない?(特にHDMIはロック弱い)
- 直結テストできる?(PC→表示先に1本でつなぐ)
ここで復旧しない場合、次のチャートに入ります。
一次切り分けチャート(フローチャート)
使い方:「いま映ってないのはどこで止まってる?」をYES/NOで潰します。
【START】映像が出ない(No Signal / 真っ黒 / 途中で落ちた)
↓ Q1:表示先(モニター/プロジェクター/LED)に「入力信号なし」表示?
├─ YES → Q2へ(信号が届いてない系)
└─ NO → Q6へ(信号は来てるが表示/内容の問題)
Q2:PC/再生機は映像出力してる?(外部出力ON、ミラー/拡張、解像度/Hz)
├─ NO → 【対処A】PC設定・出力を復旧(解像度を下げる/再起動/別ポート)
└─ YES → Q3へ
Q3:途中に機器がある?(分配器/スイッチャー/変換/延長装置)
├─ NO → Q5へ(直結なのに映らない)
└─ YES → Q4へ
Q4:途中機器の電源・表示(入力LED/出力LED)は正常?
├─ NO → 【対処B】電源復旧(AC/タップ/アダプタ/別回路)→再確認
└─ YES → 【対処C】最小構成へ(PC→表示先直結で切り分け)
Q5:直結でも映らない
→ 【対処D】ケーブル交換(短い規格品)→表示先入力切替→PC解像度を1080p/60へ
Q6:信号は来てるが「黒い/内容が違う/止まる」
↓ Q7:再生素材(動画/PC画面)は動いてる?
├─ NO → 【対処E】再生機側の問題(アプリ/コーデック/再生設定/PC負荷)
└─ YES→ Q8へ
Q8:途中で落ちる/たまに消える?
├─ YES → 【対処F】長尺・ジョイント・接触不良・熱・電源・HDCP を疑う
└─ NO → 【対処G】表示側設定(スケーリング/入力範囲/EDID/LEDプロセッサ)確認
よくある原因TOP10(症状→原因→対策)
| 症状 | ありがちな原因 | まずやる対策(優先順) |
|---|---|---|
| No Signalが出る | 入力違い/途中機器の電源落ち/PC出力OFF | 入力切替→途中機器の電源→PC外部出力確認 |
| 直結だと映るが、途中を挟むと映らない | 分配/変換/スイッチャー相性、EDID/HDCP | 最小構成→出力を1080p/60固定→別ポート/別機器 |
| 最初は映るが途中で落ちる | 長尺HDMI/ジョイント/接触不良/熱/電源不安定 | 短尺で検証→ジョイント排除→養生/固定→電源回路見直し |
| 4Kだと出ないが1080pだと出る | ケーブル規格不足/中継点で劣化/機器対応不足 | 1080p固定で復旧→規格ケーブル/方式変更検討 |
| 一部のPCだけ映らない | USB-C変換相性/出力設定/HDCP | 別アダプタ→別ポート→出力設定→HDCP系の素材確認 |
| LEDでだけ表示がおかしい | LEDプロセッサ設定/解像度マッピング/同期 | テストパターン→入力解像度固定→プロセッサ設定確認 |
| 映像は出るが真っ黒(音だけ出る等) | 再生素材側の問題/コーデック/DRM/HDCP | 別素材→別再生アプリ→出力を落とす |
| たまにノイズ/点滅 | 電源干渉/並走/接触 | 電源と信号を離す→固定→別回路 |
| 会場でだけ不安定 | 会場電源品質/回路共有/負荷変動 | 回路分け→負荷把握→UPS/安定化(必要なら) |
| 原因が分からず時間が溶ける | 変更点が多い/順番がバラバラ | “順番固定”+“最小構成”に戻す |
復旧を最速にする「最小構成」手順(現場で効く)
何が悪いか分からない時は、構成を削って「どこから先で壊れるか」を見ます。
これが一番速いです。
- PC(または再生機)→ 表示先(モニター/プロジェクター/LED入力)に直結
- 出力を1080p/60に固定(まずは低めで安定化)
- 直結で映れたら、途中機器を1個ずつ戻す(分配→変換→延長…)
- 戻した瞬間に止まった機器が「犯人候補」
現場で揉めない:確認事項(責任分界の考え方)
「機材はある」「映像素材もある」でも、現場では責任分界が曖昧で揉めることがあります。
事前に最低限、下記を確認しておくとトラブル時の復旧も早くなります。
- 入力ソースは誰が用意する?(PC/再生機/素材)
- 途中機器(分配/変換/延長)は誰の持ち物?予備はある?
- 表示先の入力切替・設定に触れる権限は誰が持つ?
- 「復旧優先で1080pに落とす」判断はOKか?(品質より復旧を優先できるか)
よくある質問(FAQ)
Q. とりあえずケーブル交換からやれば早い?
A. ケースによります。直結で映るか確認できるなら、まず最小構成に落とす方が早いです。
ケーブル総当たりは「何が効いたか分からなくなる」リスクがあります。
Q. 途中で落ちるのが一番怖い。何を疑う?
A. 長尺・ジョイント・接触不良・熱・電源・HDCPあたりが鉄板です。
「映る/映らない」より「途中で落ちる」の方が原因が複合になりやすいです。
Q. USB-C変換が怪しい時、最短で何を試す?
A. 別アダプタ(別メーカー)→別ポート→出力設定(解像度を落とす)の順が速いです。
関連記事・内部リンク
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困ったら(無料相談)
「今まさに映らない」「どこが悪いか分からない」場合は、状況が分かる写真(配線含む)と、
①入力ソース ②途中機器 ③表示先だけ送ってください。最短で復旧ルートを整理します。